エンディング-旅の終着点- 長崎駅のプラットホームに列車が滑り込む。車体が次第に減速しついに停止した。 ついに帰ってきたのだ。 長崎の駅から土場方面に向けては列車が走っているが、暁の円卓方面に向かうには馬車か徒歩しかない。最近になっては藩国へ向かう街道が整備されたこともあって馬車の交通が多く見られるようになっているが、かつては徒歩のみであった。 それを考えると暁の発展が伺えるだろう。 馬車が最寄りの大きな街までたどり着く。ここからは歩いた方がいい。 青年はその足で歩み出した。 かなり長い間回ってきたこともあり、何もかもが懐かしい。だがしかし、はるか昔のように緩やかではない。暁の円卓の風景は大分変わりつつあった。 少しずつ見慣れた風景に周りが切り替わる。その中には青年の耕した畑もあって。その傍の森には大木があって、その木陰で休んだ日々もあった。 |
青年の家の前で佇むのは一人の女性。太陽の柔らかな日差しがよく似合う、亜麻色の髪の女性。彼女は青年の姿を見つけると大きく手を広げた。 「おかえりなさいっ!」 はじけるような笑顔で青年を迎えてくれる。 「……ただいま」 照れくさそうに頬をかくと二人は熱い抱擁を交わす。 負けたくないと思ったこともあった。 辛くて逃げ出したい夜もあった。 護れる力が欲しいと強く思ったこともあった。 ……だけどこの笑顔にだけは負けてもいいと思う。 |
L:大戦士 = { t:名称 = 大戦士(職業) t:要点 = 巨漢,笑顔が素敵な,歯並びが異様にいい。 t:周辺環境 = 暁の円卓 |
f:大暁士 = { 暁の円卓における【大戦士】の呼称。 #定義 f:定義 = 暁の円卓の戦士における新たなる境地に達した者のこと。 f:内容 = { 鍛え上げられた暁の戦士の中でも様々な国の技法や精神によりいい影響をうけ、暁の志に沿って昇華したものだけがこの名で呼ばれることになる。 もちろん暁の戦士は見目麗しい少女から見るものを圧倒する【巨漢】にいたるまで様々な戦士がいるが、大暁士の名で呼ばれることを許されるのはごく一握りの人間に過ぎない。 唯一つ見た目からは分からないが大きな共通点がある。 それは意外なことに彼らの歯である。彼らの【異様に歯並びがいい】のは、彼らの食生活が良好であり、過去の貧困のために悪化していた食生活が改善した何よりの証拠である。 つまり、しっかりとした食事が取れるようになったのである。栄養状態の向上は体質の改善にも繋がる。 そしてこの体質の改善はもう一つの利点があった。歯並びの良さは噛み合わせの良さでもある。 噛み合わせが良いと言うことは、しっかりと食いしばる事ができるということである。 これは即ち力を効率よく伝えられる事にも繋がり、戦士としてより力を発揮できるようになる。 青年は【素敵な笑顔】で迎える恋人の下へ帰還する。青年の旅において出会ってきた様々な人、考え方、経験してきた出来事はまだ年若い国である暁の円卓に少なからぬ影響をもたらすだろう。 これこそが武術留学の名において結実した成果に他ならないのである。 } f:宇宙開発グループによる大戦士への影響 ← { 大戦士への影響は次の通りになると思われる。 f:宇宙開発グループが国家間の燃料供給における調整を燃料が十分に行き渡るように行う = 側面:各国は潤沢な燃料を持つことができる。 f:各国が潤沢な燃料を持つようになる = 側面:取得したアイドレスにコストが掛かっても問題なく運用できるようになる。 f:アイドレスで使用するコストが高くすることができる = 側面:燃料負担のリスクのみで十分に高い能力のアイドレスを作ることができる。 f:コストが掛かっても問題なく運用できるようになる = 側面:大戦士も同様に高コストにすることができる。 } } 継承:暁の民、ソードマスター、剣 |
文章:風杜神奈,時雨野椿 監修:白石裕 画像:岩澄龍彦 |
スペシャルサンクス:許可を出してくださったわんわん帝國各藩国の皆様 この物語を読んでくださった皆様 |